大型二輪取得物語 その1

やっぱバイクって面白え!こんなに知れば知るほど面白いスポーツがこの世にあって良いもんなのか?まさかあんなことに気づくとは恐れ入った!いやぁもう人生観がグルリと変わっちゃうんじゃねぇかなぁ!

 

・・・さて、落ち着いたところで。

今回は大型バイクとの出会い、そして大型バイクの楽しみ方に気付き始めたところまでを書いていこうと思う。まあまあ長くなるかも?

 

大型バイク。日本で走るには過剰とも言えるパワーを制御する柔らかなアクセル開閉、車体やクラッチの重さから感じる圧倒的威圧感。軽いバイクで遊んでたハナタレ小僧にとって、それが纏っている何もかもが縁の遠いものだった。それ故に自分の手足のように扱うには時間が掛かるだろうと踏んでいた。

アクセルワークの些細な乱れでバイクはギクシャクし、車体の重量のせいか旋回も普段の感覚で曲がるとやや大回りになり、最初は自分の思い通りに走らせることさえ出来なかった。一応教官からはハンコを貰えるがイマイチ納得がいかない。そんな日が続いていた。

しかし転機は急に訪れた。あれは3回目の教習の時だ。たまたま1回だけスムーズにスラロームが成功したときにふと、ある事に気づいた。

「大型はコッチが働きかけないと駄目だ、慣れの問題じゃない」と。

中型バイクのようにアクセルをガバッと開けてパワーをダイレクトに感じ、顔を曲がりたい方向に向ければ瞬時に車体がスパッと曲がってくれる。そんなワガママを聞いてくれる乗り物ではないのだと気づいた。

バイクの特性をよく知り、それに沿ったライディングをしていかなければ上手く動いてはくれず、ほんの小さな綻びでも暴走をしてしまう乗り物なのだと。

もちろん中型バイクだって暴走することもあるが、いかんせんパワーはもとよりソコまで到達する範囲が違い過ぎる。

 

あくまでも感覚的な話にはなるが、大型と中型、同じバイクという括りでも主従関係が真逆といってもいいのかもしれない。

中型の場合はライダーの挙動に対してバイクの性能が反応するが、大型の場合はバイクの性能に対してライダーの挙動が反応するといった所だろうか。感覚的に。

 

「バイクに乗っているのはオレだが、あくまでもバイクの女房役だ。」そのように意識してから大型バイクがどんどん楽しくなってきた。

相手(教習車のこと)の意見(エンジン性能など)を尊重し、上手くいくように泳がせる(走行)。いつも泳がされてた側のオレにとっては新鮮でかつ楽しかった。

しかも相手は機械。一切意見は曲げようとはしない頑固者だ。 そんなことも考えると輪にかけて楽しくなるに決まっている。

もうこの頃には自分の手足にしてやろうだなんて思わなくなった。何なら相手の手足になっていけばいいと。

それからというものの不思議と、入所した直前とは見間違えるかのようにパワーも安定し、小回りも効くようになった。

 

・・いかがだっただろうか。ダラダラと書いてしまったが、まとめると

「同じバイクでも大型と中型じゃ付き合い方が違う」

「中型バイクはライダーが比較的バイクに泳がされてる側で」

「大型バイクはライダーが比較的バイクを泳がせてる側である」

って気づいたことかな。あくまでもオレの場合はね。

 

おわり。

 

このまえ隣の車線に新型CBR250RRの赤色が停まっていた。ピカピカのアライのヘルメットに半袖ジーパンで斜め掛けのリュックを背負って、いかにも大学生ライダーっぽかった。

「あぁ、なんだかんだ言って若い人も新車買ってんじゃん」って親近感を感じながらホンダの公式サイトを見てバイクを調べたところ、本体価格が約80万円・・・最近の学生ってスゲェなって思った休日だった。