ついこの間まで大型バイクの話をしていたのにまた原2に戻るとは。どうやらオレのバイクライフにはピンクナンバーが付きまとってるらしい・・
もちろんそんなワケない。・・のかな?い、いやいやアドレスは代車だし!カンケー無えし!
なんだか怖くなってきちゃったな、自分が蒔いた種とはいえ。
さて(唐突)、代車ということは現在バイク屋でオレのバイクが何らかのお世話になっている。事件はついこのまえ、ツーリングしてたともう前降りが面倒くさくなったから簡潔に言うと、R25のタイヤ交換をしてもらってるんでさ。でさって、奉公人かよ。「へぇ!お客さん御予約の方でっか!そんじゃまコチラの部屋でさ!」うむ、元気があってよろしい。若者はこうでなきゃ。
じゃなくて。タイヤね、タイヤ。違うよ代車の話だよ!
つまりタイヤ交換が日を跨いでしまうためにバイク屋が代車を貸してくれたと。
で、その代車がアドレス110であると。おお、上手くまとまった。最近難しい本でも読んでるからかな?
まあそのなんだ、渦中(?)のアドレスなんだけどね、乗りやすい、安い、荷物乗っけやすいの三拍子揃ったイイバイクだった。今回はその三拍子に沿ってアドレス110の話をしていこうと思う。
田舎の風景にスクーターは合うな・・
まず乗りやすいから。変速方式がオートマチックだから半クラッチとかギアチェンジとか操作がとにかく面倒くさくない。前に進みたければ右手で掴んでいる物を捻って、止まりたければ両手で銀色の棒を握る。曲がりたければ身体を傾ける。操るのはとても簡単だ。
そしてタイヤが細く直径が大きいため、曲がるときは挙動がヒラヒラ軽やかで、多少のガタガタ道でも安定している。
確かに走った感触は良い、だが1つだけどうしても引っかかってることがあった。現物のアドレスを見ていただけるとより分かりやすいが、このホイールの周りのサイズ感がかなーり特殊だ。なんというのか・・スカスカだ。ただでさえ車体が大きいとは言えないのに、そのうえホイールがスカスカだと、なんだか全体的に弱そうな印象を与えてしまうんじゃないか?と、感じていた。
このブレーキに対するホイールの何とも言えない感じ。遠近法かな?
しかしこの設計にはどうやら深ーい理由があって、発展途上的なアジア圏をターゲットにしたからしい。インドとかインドネシアとかね。
突然の雨や途上国特有の道路事情とか、そんな難しい路面環境に対して性能が良ければ買ってくれるだろう、じゃあそのカタチは何か?それがアレの正体なのだ。
詳しい説明は省くが、ホイールサイズを大きくして充分に舗装をされてない道路で走っててもハンドルをとられにくくし、接地面の少ない細いタイヤで雨天走行によるタイヤのグリップが及ぼす影響を出来るだけ少なくしている。ひとえにスズキの常にユーザー目線で何かを考えるスタンスがあの特殊なカタチを生んだと言ってもいい。なーんだ、こう振り返ってみるとホイールもカッコよく見えてくるじゃねえか・・
そして安い。安いことは良いことだ。オレの所有しているグロム(ほぼ同じ排気量)が約30万円に対してアドレスは約20万円だ。2/3だ。安。自販機で150円のペットボトル買おうと思ったら、この自販機だけ100円だったお得感みたいな。何か違えな。
しかしこれだけ安いと「安すぎてどっか手ぇ抜いてるんじゃねえの?」って思うかもしれない。仮に、仮にですよ?そうだったとしてもだ、バイクの運動性能は他の原二と引けをとらないし、外装も目立って荒いってことも無いし、短期間レンタルした状態では特に不満は無い。
ただ1年に1回くらいの周期でリコールが出てるから、それを「キチンと対策されてる」ととるか「まだ出るかもしれないから信用できんな」ととるかで見え方が違ってくると思う。ちなみにオレ前者。
表示系統は見やすく、操作系統も特別チープな感じはしなかった。
最後に荷物を乗っけやすい。とにかくシートが長く平坦なのだ。アジア圏ではバイクの三人四人乗りは珍しくないのでソレに対応したのだろう。
また純正でゴツいキャリアも着いてるので荷物を括りつけやすく、スクーターなのでメットインも搭載している。オマエどんだけ乗っけさせるつもりだよ、頑張りやさんめ。
リアキャリア。ゴツい。
カンタン操作で走れて、荷物もたくさん積めて、小回りが利いて、燃費も良くて、それでいて求めやすい価格。正直このアドレス110はバイク本来の役割を再認識させてくれる素晴らしいモノだと思う。元をたどれば庶民の買う乗り物というのは安くて便利であることが何よりの存在意義だったのだから。
それが今やクルマにその座を奪われ、そのうえ何故か世間からは「バイクは不便だ」というイメージが悲しいが根付いてしまっている。そんな風潮のなかで「バイクもバイクで安くて便利でイイ乗り物じゃねえか」ということを今一度教えてくれそうなバイク、それがアドレス110の姿なのかもしれない・・・