バイクとの付き合い方

いまオレの中で転換期が来ている。

この1年、バイクにあまり乗ってない。

ふと振り返ってみれば関東外はおろか、北関東に走りにいったのも数えるくらい。去年とはエラい違いだ。

 一体ナゼなんだろうか・・本当は分かっている。大きな目標を失ったからだ。

好きな所に好きなだけ走りに行く。あの場所はどんな景色なんだろうか、あの道はどんなコースなんだろうか。そんな好奇心で動いてたこれまでだったから、まるで気持ちは抜け殻のよう。

別に去年のバイク旅が悪いワケじゃない、楽しかったし。ただそのゴールしたときに感じた「反動のような物」に悩んでいるのも事実だ。言葉に上手く表せないけど、鹿児島から帰ってきた日を境に「ソレ」はどんどん押し寄せて来てる。

目標は無くなり、何かに襲われそう。ライダーがこんな状態だから日を追うごとにバイクに乗る機会も距離も少なくなっていった。

「オレ、バイクが好きじゃ無くなったのかな・・」バイクは乗ってナンボ、乗らないバイクは眺めるだけの骨董品と同じだ。そう思っていただけに時間の経過と共に気持ちが落ち込んでいく一方だった。そう、この前までは。

 

またR25が気付かせてくれた。「ただ乗るだけがバイクじゃねえ、好きじゃねえ。」って。

あまり乗らないバイク。好きじゃないなら売ってるハズだ。でも何故か手元にある。それはきっと、乗ってるとき以外にも何か魅力があると思ってるから手を離さないんだとオレは踏んだ。

試しに1度、持ってる固定概念をかなぐり捨ててネットやら雑誌を読み漁り、他人がどうやってバイクと楽しんでるか改めて注目してみた。

キャンプツーリング、マスツーリング、そしてロングツーリング。「乗る」だけをフォーカスしても、様々なカラーの乗り方があった。他にも走行会からカスタムまで、色んなことで各々の楽しみ方をしている。みんな映像や写真でも伝わるくらい凄く楽しそうで、純粋な意味で凄く羨ましかった。

同じ作品でも、今まで付けてた色眼鏡越しとは見え方が全然違う。「スゲー面白かったけど、オレにはオレの楽しみ方があるからまだいいや」とか「コレ面白そうだけど、オレがやったらどうだろうな・・」なんて思うような、自分の殻の中で必死にすがりついてる窮屈な男だったけど、そんなのもう止めた。とにかく面白そうなことは金と時間が許す限り何でもやってみるようになった。よくよく考えたら大事なのは形成されたスタイルより、何でも楽しむ心持ちだよなと。

まず、その一歩として今月初めのロングスクリーン交換。絶対に必要なワケでは無いけど、面白そうなので交換。結果、R25に愛着が生まれた。遠くの土地へ行くのも冒険だし、家でパーツ相手に格闘するのも冒険だと知った。

そんな風に新しいバイクとの楽しみ方を覚えるうちに、乗らないことに対する気持ちもかなり和らいできた。乗っても乗らなくてもオレの中でバイクは色濃く在り続けることが分かった。

もちろん今でも押し寄せる「ソレ」はある。でもそれとは別の楽しみが出来たから「ソレ」に向き合うのも全然心細くない。これからは無理なく比べず楽しくバイクと付き合える自信すらある。過去は自信をくれるけど、頼り過ぎると新しい可能性が潰されるから、付き合い方がとても大変だ。

こんなこと、きっと他の人は何気なく越えるハードルなんだろうけど、そういう部分がすっからかんのオレにとってはそんなハードル1つ1つが大きな成長であり転換期だ。

しかし良い話だよな。これからは乗り降り構わずバイクを楽しめるなんて、単純に楽しさ2倍じゃん。

・・ああ、この話のオチ?無い。書きながら出てくると思ってたけど、そんな甘くなかった。

強いて言うなら、もしバイクの楽しさが分からなくなってきたり、過去最高の思い出ばかりに引っ張られてるようなら、自分で抑えてた諦めてた「何か」を身の回りの環境が許す限り、少しずつでも試してみると良いですよ。って話。ほとんどの人にとってはとんだお節介なんだろうけど、一応ね。