あの日から約2年半、バイクに乗るときはいつも被ってたヘルメット、X-Fourteen。何が良くて何が悪いのか、実際の体験を元にこれから書いていこうと思う。
本当だったら買い換えとかブッ壊れたとか、区切りでやるのがオーソドックスだけど、そんな忙しないときに筆を執るよりコッチのが良いでしょう…オレ、オチツイテ、カク。
じゃあ早速X-Fo、スペル面倒くさいからX14でいいか。
改めてX14、簡単に説明するとレーシングシーンに特化したヘルメットなのね。空気抵抗が低くてラップタイムがどうとか、何100km/hスッ転んだ時にどうとか、走行性能や安全性に注力したとんでもないシロモノで、その証拠にMotoGPからWSBKなどの最高峰レーサーも使用している。それも1人2人じゃない、結構居んの。スゴいねSHOEI。
でも、これだけ聞いたら「ツーリング程度でコレは大袈裟じゃない?」って疑問が出てきてもおかしくない。俺も買う前はそうだったし。
まあ結果的に言うと、買って良かったっすよ。X14。
まず何が良いってね、あのね、静か。ほどよく静か。
高速走ろうが浜の横っ風に押されようが、少しの風切り音と排気音、ライダーに必要な音しか基本拾わない。
以前のヘルメット、SHOEI QUESTだと「ゴーゴーゴーゴー、ピーピョーピー」ってよく分からない音まで拾ってたけど、X14の音は「クォークォー、クォークォー」と抑えられてる上にカドが取れてる。
ライディングをするのに「音」の環境はかなり重要で、安全上何も聞こえなくなるのは非常に危ないし、逆に筒抜け状態でも耳障り。通勤買い物くらいなら影響は少ないけど、半日以上ツーリングとなると不愉快の積み重ねはジワジワと疲れとして襲う。
今まで振り返れば、首がもげそうになった嵐の函館でも、四六時中ETC使って移動した千葉-青森間を無事走破できたのはこのヘルメットのおかげ、でもある。
そう考えるとX14はファンライドとセーフティを兼ねてる、良いバランス感覚を持っていると言ってもいい。
では何故それが可能になったか。もちろん内外装の緻密さや材質もそうなんだろうけど、高い空力特性も絡んでるんじゃないかなと。変な空気の流れを作らないからとかそういうので。物理を専攻してないから詳しくは分からないけど。
そんな空力の話、机上のことはサッパリでも、実際に被ってみて分かった。他のヘルメットとは全然違う。
特に首を左右に振ったとき。車線変更に高速合流、100km/h近くで振り向いても風に叩きつけられない。スッって車線を確認して、サッと前を向ける。全然抵抗がない。これだけのために買ってもいいレベル。
ヘルメットの特徴って「いざというときのコレ!」とか「先代より10%スゴい!」みたいな普段使いでは「きっとそうなんだろうな」要素が多いけど、この件に関しては高い快適性と安全をバシバシ体感出来るし、「確かにコレは良いものだわ、選んでよかった」とメーカーと自分に大きな肯定感を持たせてくれるのもデカイ。
もちろん直進性もカタチを見て貰えれば分かる通り、メッチャクチャ高い。高速の風切り音も下道とほぼ一緒。少し音が高くなるだけ。
特別重くも感じず、変に首も痛くならない、耳鳴りもしづらく閉塞感もない、悪く言いようが無いんだよな、X14。あ、でもさっき書いた通り嵐レベルは流石に打ち消せない。そりゃそうか。
視界もね、良い。レーサーが使うものだからか、上目遣いに対応してオデコ方面の開口部が広く作られている。
ご縁あってBMWのSS、S1000RRを自宅で跨がらせてもらう機会があった。最初はSHOEIのエントリーモデル、2回目はX14で着座したけど、確かにX14の方が視界の圧迫感は無かった。本格的なポジショニングをしてないにも関わらず。
…というかですね、視界は広ければ広いほど良いですからね。見えないより見える方が安全ですし。単純に考えて。
最後に換気性。たっけぇ。高いじゃなくて、たっけぇ。
スゴく通るし、すぐ乾く。涼しくて涼しくて、よっぽどのことが無い限りエントリーモデルは使いたくないと思わせるほど高性能。
冬の曇り、夏の汗、誰が何して悪いワケでもないのにずーっと付きまとってきた問題が一気に解決した。換気の良いヘルメットを使えばいいんだと。
流石に渋滞では効果ゼロだけど、街乗り発進しただけで熱気も湿気も一発よ。最も近い感覚だと、シールド開けて走ってるときくらいのダイレクトさ。
よくネットに「Araiは安全性、SHOEIは快適性に特化してる」って文を見て「同じクラス帯なら性能はどっちも同じくらいで、分かれてるのは憧れや宗教のせいだろ」くらいに思ってんだけど、とんだ偏見だった。広く称されるようにSHOEIのヘルメットはマジで快適です。少なくともX14は。
結論、X14はツーリング程度でも充分に恩恵がある。
サーキットはレーサー達を見れば言わずもがな、全方向に高性能なスゲーヘルメットでした。
最後にお節介だろうけど、このヘルメット買うならフィッティングサービスをしている場所で買った方がいいかも。
イヤな話だけど、このヘルメット6万くらいするのね。まあ高い。そして通信販売のが1万くらい安く買える。コスト的にはそれも間違いない選択だ。
だけどオレ的には差額でセミオーダーしてもらったと思って、性能100%のフラッグシップを味わって欲しい。ここまでするなら思いっきりSHOEIのスゴさと最適解を数年間感じて欲しい…ホントにお節介だけど。
あ、欠点あったわ。カタチが変わってるからスクーターのメットインに入りづらい、出っ張ってるからね。それぐらいだな。
おしまい。