6月12日、オレは青森県からフェリーに乗り、北海道函館市に着いた。
函館港の潮風が顔を優しく撫で、赤レンガの建物がその色のように熱く歓迎してくれながら、穏やかで優雅な北海道バイク旅がこれから始まりを迎えたのだった・・・
まあそんなワケはない。そうであって欲しかったけど、ウソ。
実際は雨がドシャ降りで横風が顔を引っぱたく程に強いなか、トタンかレンガか良くわからない小屋を力任せに横切って、オレの北海道ツーリングは始まりを迎えた。
実は当初の予定では北海道に行く気はサラサラ無く、「北海道はそのうちだな」なーんて悠長に構えていた。しかし、青森で宿泊中に何となくフェリー会社のHPを見たら青森~北海道行きの便がガラガラ空いていることに気付き、これも何となく「空いてるし、じゃ行くか」となったのである!
とまあ、そんなユルユルな感じで北海道に行ったワケだけども、スゲーな北海道!ヤベーよ北海道!
いやさ、試される大地とは良く言ったモンだよ、ホントに。あの言葉がそのまんま!
道はどこまでも続いてるし、信号も少ないし、おまけに景色が良いから、メシ食ったり観光してるよりも走ってる方が楽しくなっちゃうんだよ!色んな名所で写真を撮りたいのは山々なんだけど、なっかなかバイクから降りられねえ。あの大地は人を、少なくともオレを変えたね。ヤバイ方向に。
北海道をただひたすらに走る、走る、走る。別に仕事もしてないからタイムリミットは無く、ゆっくり観光しても何も問題無かったハズなんだよ。
しかしコレが北海道の魔力なのかねえ、走れば走るほど「もっと走りたい!」って気持ちが身体の内側からドンドン溢れ出てきて、結局歯止めが効かずに朝から晩まで1日中走りまわってた日が結構ある。というかほとんどだ。
別に北海道で観光する場所が少ないワケではない。むしろ多いくらい。ただそれよりも好きなバイクに乗りながら道に広がってる綺麗な風景を流してみる方が心地良くなっちゃうんだよなぁ。うーん、不思議。スゲー試された。あの大地の誘惑には勝てんわ。
そんな誘惑に負けながらも写真はいくつか撮ってきたので、今回はそれに沿って北海道を振りかえっていこうと思う。
1日目。函館港近くのコンビニにて。写真じゃ分かり辛いけど、横風が強すぎて首が取れるかと思った。
それから数時間走り、北海道最南端の白神岬へ到着。
到着したんだけど、誰も居ねぇ。清々してていいんだけどさ・・・
2日目。ふと旅館の天井を見ると、剥き出しの電灯が。どこか懐かしい気持ちになり、記念に撮影(?)
もうかれこれ1週間も旅してるだけあって、荷物を積み込む時間が初日の半分までになる。何だ、オレもやるじゃないか。
浜沿いを気持ちよく走ってたら、行く先に怪しい雲が。すぐに雨合羽を着る。
合羽は着たけど何故か雨は降らず、良いんだか悪いんだか分かんない気分になりながら、北海道最西端にある尾花岬・・の近くにある太田トンネルに着く。
どうやらバイクは乗り付けられないらしく、徒歩で行けるけど命の保証が出来ないくらい険しい道らしい。旅はまだまだ長く危険は冒せないので、泣く泣くスルー。
流石に昼間になると身体も暑くなり、道端で合羽を脱いでた時に見つけた看板。マップを破壊って、バトルフィールドか?
看板をバカにしてたらこんなモンだよ、ちくしょう雨が降りやがった。
しかも行く先、霧が濃い。ああ、天罰だ。
どうにかこうにか時間をかけて、無事に洞爺湖へ着いた。
頭上注意って一体何が降ってくるんだ?
看板は正しかった。洞爺湖全体で空から多くの「あられ」が降ってきた。「あられ」の痛さに耐えきれず、急いで湖近くのホテルに泊まった。
しかし、悪いこともあれば良いこともある。その夜、洞爺湖で花火大会が催され、自分の部屋の窓からバッチリ見えた。綺麗だったなぁ、花火。
今日はここで終わり。次回は明日明後日あたりかな?