グロムと3年

3年だな3年。以前と印象は大きく変わらないけど、書く。まあオレにとっての儀式行事みたいなモンだから、こういうのは。

1年前の記事を振り返るとさ、よく頑張って書いてるワケだ。もう書くことねーじゃんと。今のオレが。

primarycell.hatenablog.com

コレね、コレ。

R25の時もそうだけど、毎年書いてると「当時の自分どうだったっけ?」ってのが丸わかりね。同じお題だから文の端々に感じる刺々しさや丸っこさとかよく出てる。新しい面白さだよな、ブログの。同じことを定期的に書くって。

…まあそんな聞いてて面倒くさそうなことは置いといて。

グロムですね。良いバイクですよ。高速道路は乗れないけど、他の道ならオールオッケー大得意です。

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搭載されてるエンジンがビジネスバイク出身なので、バワーの立ち上がりが早く、極低速からすでに扱いやすいエンジン特性を持っている。なので市街地にある「止まれ」看板の連なりも何のその。もちろんシグナル発進もしやすいし、原付2種になるべくしてなった素敵なフィーリングです。

単気筒エンジンゆえ手足にタカタカと振動が襲うけど、燃焼爆発を全身で体験出来るのは個人的に好印象。いくらかデフォルメされてるとはいえ、仕組みを知識として常に掴んでおくのは大切ですからね。基本はダイジ。

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サスペンションは前後グニョグニョ。40km/h以下で走ってる分には柔らかくて乗りやすいんだけど、段差踏んだりペース良く走ろうものならすぐ縮んだり伸びたりギッタンバッコンと、お世辞にもツーリング特性は良くない。気になるならサッサとリプレイス品ブチ込めばいいけど、変えずに乗ってるとコレはコレで面白い。

いかにしてピッチングを抑えつけながら走るか、それも面白いんだけど、もう1つあって。

100kmが大冒険みたいになるんだ、ノーマルだと。走れば走るほど交通事情がアトラクションとして変わっていく様は面白い以外のなんでもない。

幹線道路走れば余裕が少なくいっぱいいっぱい、田舎道走ればドカドカ下から突き上げてくる。でもさっきも書いた通り狭い道や細かい右左折など、市街地走行での感触は心地良い。

これを「ツーリングのメイン部分を大きく演出して、煩わしい部分を軽くしている」と考えると、ノーマルサスはお手軽に大冒険を楽しめるスゲェ部品なんじゃないかと。

「辛いけど良いこともあった。今日はやけに疲れたけど結果的に面白かったよな。」を下道の100kmで体験出来るのが本当に、ほんっとうに貴重なのよ。

目的地まで簡単に辿り着く。とても魅力的なことだけど、それだけじゃ飽きちゃうんだよね。メーカーには悪いけど、ラク過ぎるのもケースによってはイマイチな時もある。行程がどんどん平坦になって、ツーリングが移動に成り変わるというか。

「快適」って良いことなんです、基本的に。でも心持ちとしてスキが無いし、文言としてのパワーが強くて、用量間違えると他の感情を飲み込んじゃうんだよね。「面白い」「辛い」「楽しい」みたいな起伏を薄く、場合によっては打ち消す。

その点グロムならバイパスに恐怖し、農道に打ちのめしされ、駅前に停められる場所の多さに感謝し、一方通行だったとしても気軽に手押しで歩ける。

そんな風に内から沸き上がる色々なモノを促し、抑えつけ無く出しやすい空間って大切。発生しやすければしやすいほど。オレにとってグロムはそんな役割もあるんだ。そしてその役割の一部を支えてるのがノーマルのサスペンション。

性能が低いからダメ、低いから蓋をせずに、何事もまず正面に向き合ってみる。その大切さを知る良いパーツだったな。

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タイヤも良い。小さくて太いから狭い場所も突っ込みやすく安定感がある。低中速で走ってるときの万能感は中々味わえない。スッパリ割り切り下道特化。あまりにも潔い。というかエンジンといいタイヤといい、グロムって原付ゾーンに特化したパーツが非常に多い。

他の原2だと60km/hでも余裕が生まれるんだけど、このバイクは美味しい所を法定内でしっかり使い切れてる。

コレって結構オレにとっては貴重で、ただ何となくズボラにアクセルやブレーキを動かすだけで走りが成立するなら「これならATやDCTでいいや」ってなるんだよね。

0から60までハッキリとした役割を持たせ、少しずつ理解しながら操作していく。上手くパワーを乗せられないときもあれば、スムーズに加減速出来るときもある。ライダーの技量に対して「ムリ」「イイぞ」の反応が豊かに表れるのもグロムの良さだね。

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こんなところかな。

また来年になったら書きたいね。というか書く。

おわり。