長ぇなあ、5年。
当たり前のようにずーっと倉庫に居て、時間があれば気兼ねなくそこら辺をバーっと走れる、そんなR25。
ここまでくるとね、乗れば乗るほど他へ買い換える気が無くなってくるのよね。「コレ以上速くてどーすんのよ」とか「コレ以上重かったら倉庫から出しづらいがね」とか「R25以上に走って曲がってコロコロスパスパいくのかね」と、完全にひいき目です。おおひいき。
いやだってさ、日本中を快適に走れんだもん。大したトラブルなしで。これ以上の実績ないでしょ。
どこ走っても、どんな時走ってもストレスを感じず楽しく走れる。北海道だろうが鹿児島だろうが4℃から36℃までスイスイよ。
夏エンジンが焼けるように熱く、雨が湯気に変わり視界が曇ることがない。
冬の風で強ばった身体を使って、200や300kgの巨体を押し引いたり支えなくていい。
ボディアクションに対して車体が素直に反応し、100km/hで走っても全体的に多少の余裕があり、それでいてライダーを埋めさせるようなお節介もない。
そして発進もしやすくて…まあとにかく乗ってて「ここヤだな」ってなることがないんですよね。
ドロドロ崖だらけのオフロードを走れないことくらいじゃないですかね、出来ないことと言えば。それについては餅は餅屋だし、大体のことを「やってみようかな」とさせるのは中々のモンですよ。
もちろん、そうさせる要素として「比較的経済的である」とか「軽い」とか言いたいことは山ほどある。
その中でも一番はR25のニュートラルさだな。色んなシーンに遭遇しても「コレ出来んじゃねえか?」と惑わされるの。
ハンドルの高さ、シートにステップ位置、エンジン特性などなど、何から何まで中立。突っ込み所はあっても、声を荒げるほどの不満は無い。
なんとなーく何でも出来そうで、何してもちょっとだけ余裕があるのに、めっきり我を出さない。強いイメージで固められてないというか。
だから「アレ出来るのか」「ソレならコレもしてみよう」に伸びやすい。実際にR25でサーキットやロングツーリングに砂利ダートまでそれなりに走ってる。
「特化してない、中途半端」って言われればそれまでだけど、「手を伸ばせば色んな自分になれる」とも言えるのよね。ほんの少しのアイデア、それだけで大概のやりたいことが出来るんだ。
まあ実際は殆どのバイクも同じなんだけど、R25はその中でも距離が短く出しやすいんだよね。
素直で囚われないバイク、YZF-R25。
強いエネルギーに魅せられ引っ張られ守られることは無いけども、ライダーの色んな気持ちを下支えしてくれる頼もしいヤツ。
もしオレが「免許取ったはいいけど、バイク何乗れば良いか分かんねえよ」って言われたら「R25乗れば?」って答えるね。乗れば乗るほど、自分がバイクで何したいのかが浮き彫りになりやすいし。
飽きないよ、このバイクは。
おしまい。