バイクとクルマを持ってるという幸せ

ついさっきバイクに乗って宛もなくブラブラしてたんだ。

人の集まるところとか国道は出来るだけ避けて、田舎特有の横幅がブッとい果てしない先に信号あります道路をボサーッと進んでたワケだ。

世間は盆だし、やべぇドライバーウヨウヨが居るし、流れが悪いと身体に風来ないし、当然の選択と言えよう。

 しかし土地柄なのか、ミニバンに乗るお母さんドライバーって半分の割合で怖い運転してるよ。

2列目に居る子供の世話しながら道路走ってんだもん。前見てねえじゃん。怖。

あと大型バイクのオッサン集団。その跨がってるバイクの熱さはオレも知ってる、だからって変な追い越しすり抜けをするなよ…あと海外経由であろうバカうるせえマフラー付けて信号待ちで気持ち良く吹かすな。

う る せ え。

車線をハミ出すならデケえアメ車に乗るな。周りが良く見えてねえんだからそのオニヤンマみたいなサングラス外せ。

だ か ら 、頬杖付きながらハンドルを握るな。

 

…と、大型連休は治安の悪いのが集まる場所なのだから健康に走るのでさえ大変だ。ホントに。

危険に晒されつつも、変なドライバーを見つけては「マヌケだね」と面白がれるので飽きないと言えば飽きない。

さながらサファリパークだ。自家用車でテキトーに回ってるだけで珍獣と至近距離で会えるんだから。

 

なんて言えるのも、バイクの視野の広さのおかげである。

死角が無くて、軽く遮るものが目にめっちゃ近い所にあるだけだから、ほぼ全部が見える。だから周りのことによく気がつく。

これがクルマだと、どうしてもピラーやガラスと目の間の距離があって、情報が鮮明ではない。「あぁ、ミニバンだ」「うわ、バイク怖いな」「げっ、轢かれちゃうよ」くらいの必要最低限の情報しか掴めない。

そんなことだけでも、バイクに乗って良かったなと思える。速いとか、カッコいいとか、非日常へのスイッチ切り替えとか、色々分かりやすい部分もあるけど、一番は「何回目の道でも楽しめる」というのがオレの中にある。

 

バイクに乗る動機として「目新しさや未知」というのは結構な重さがある。そのために県境を複数跨いだり、イベントに参加したりすることがあると思う。

その中に「何回目の道でも楽しめる」を持ってると究極な話、近所を走ってても満足出来るのだ。

バイクに乗れさえすればいい。特別な体力根性やアンテナの高さが要らない。走りたいだけ走って、走行途中の中弛みや計画の狂いから来るイライラもなく、どう転んでも楽しいまま終われる。

おそらく掘り返してみると、ほとんどの人が初めてバイクを所有しようと思ったキッカケって「バイクで楽しいことしたい」っていう気持ちなんじゃないかな。

そう考えると、今回掴んだ感覚も条件を選ばないし、感情の出方として非常に自然的で、別段変なモノではないと思う。

 

そしてそれに行き着いたのも、快適でセーフティなクルマという乗り物を知っているからだった。

クルマの良さを知れば、バイクの良さが際立つし、バイクの良さを見つければ、クルマの良さが湧いてくる。

合理的に考えれば同じアスファルトを走る乗り物を何台も持ってる必要は無い。しかし、その環境でしか生まれない思考や走ることへの理解、いわゆる「深み」というものは確かにある。

楽しい又は快適な「移動」と割りきるか、生活を豊かにする「ライフワーク」にするか、同じ乗るでも見えてくるものが結構変わってくると思う。

色々な面で余裕のある人は検討を、既に両方持ってる人は良かったら試してみて。